遺産相続（遺産分割）の放棄と相続放棄は違います！！

故人が亡くなった場合、生前故人が使用していた生活用品や貴金属類、家や土地を処分・整理します。
これが遺品整理です。

故人が亡くなられた場合に賃貸の退去期限などの関係から、早急に行わなければならい事の多い遺品整理ですが、「遺品整理をしてはいけない場合」があります。
それは「相続放棄をする場合」です。

相続放棄をする予定なのに遺品整理をしてしまうと、相続の意思があるとみなされてしまい、相続放棄ができなくなる場合があります。
この相続放棄については、よく「遺産相続の放棄」と勘違いしていらっしゃる方がおられます。
相続放棄と遺産相続の放棄とは全く違うものです。

今回は相続放棄と遺産相続（遺産分割）の放棄の違いと、なぜ相続放棄をする場合に遺品整理をしてはいけないのかをご紹介します。

＜目次＞

◇【注意！！】遺産相続の放棄と相続放棄とは違うものです！！
◇相続放棄と遺産分割の違い
◇故人の借金との関係性
◇相続放棄する場合に「遺品整理をしてはいけない」理由
◇相続放棄をするが、遺品整理もしなければいけない場合

◇【注意！！】遺産相続の放棄と相続放棄とは違うものです！！

注意したいのは「遺産相続の放棄」と「相続放棄」は全く別のものだということです。
遺産相続は正しく言うなら「遺産分割」となります。

◇相続放棄と遺産分割の違い

では、相続放棄と遺産分割の違いとはいったい何なのでしょうか。

	相続放棄	遺産分割
手続きの期限	3カ月以内	期限なし
申し立て方法	家庭裁判所に申述する	意思表示のみで効力が発生※1
効力	最初から相続人にならなかったものとみなされる	「権利を放棄する」というもので、相続人としての地位は失わない
故人の借金	財産と同様に引き継がなくてよい	引き継ぐ※2
相続の放棄の範囲	全て権利を放棄しなければならない	相続財産の一部だけを他の相続人に渡しで一部を自分がもらうといった柔軟な対応が可能

※1　通常は遺産分割協議書を作成します。　
※2　債権者に請求されても拒むことはできない。

相続放棄と遺産分割の大きな違いで、相続放棄にある最大のメリットは「故人の借金の相続をしなくて良い」ということです。

◇故人の借金との関係性

相続放棄をすると、放棄した相続人は「最初から相続人ではなかった」とみなされます。
相続人としての権利を失うのです。
このことから故人の借金の相続のための権利も失うため、引き継ぐ必要がなくなります。

しかし遺産分割の放棄はそれぞれの財産の権利を放棄するだけに留まるため、相続人としての権利を失うことではありません。
このため借金も引き継がれることとなります。

◇相続放棄する場合に「遺品整理をしてはいけない」理由

相続放棄をするということは、故人の財産を手にする権利を放棄することです。
対して遺品整理をするということは、故人の財産を処分するという事です。

相続は「相続する」か「相続しない」かどちらかを選択するしかありません。
一度どちらかを選択してしまうと、後から選択を変えることはできなくなります。

遺品整理をしてしまうと財産の相続をすると宣言してしまう行為になるため、相続放棄を考えている場合は慎重にならなければなりません。

◇相続放棄をするが、遺品整理をしなければいけない場合

故人が賃貸住まいであったり、孤独死などで特殊清掃の必要があるなどする場合など、早急に遺品整理をしなければいけない事があります。

その場合、価値のない物であれば処分することができます。
しかし一見価値のない物のように見えても、価値があると認められる物がある場合は相続したとされる場合があるため、処分には慎重にならなければなりません。
リサイクル業者・買い取り業者に買取を依頼する行為は、市場価値のあるものを売るということになるため、業者は呼ばないこと、価値のありそうなものは処分しないということを徹底しましょう。

いずれにしても、法律の関わる事で素人には難しいのが現状です。
これぐらい良いだろうと思っても法律的にはアウトといったこともあるため、弁護士や司法書士などといった専門家に相談するのが一番安全です。

かたづけ招き猫では遺品整理のご依頼も随時承っております。

＞かたづけ招き猫の遺品整理について費用など詳しくはコチラ

急上昇ワード